下書きストックに出せそうなのが残っていたので、放出…。 最近は新書というものはあまり読んでいませんでしたが、持ち運びやすいものという観点から、いくつか古本屋で買ってみました。こちらは読了まで2019年04月13日から22日までで累計3.5時間かかりました。こちらも名前に惹かれ読んでみました。数学者が書いているということで、話の流れはとても明瞭です。ただし、取り扱っている内容が歴史的な事柄が多く、その歴史的な内容がピンと来なかったのは、学生時代から歴史の勉強をしてこなかったせいです。前にも同じようなことを書いた気がしますが、歴史の勉強って大事だと実感します。単語もすべて見聞きできるのに内容が分からないため話についていけないというのは、もはや何を言っているかすらわからない外国語で話しかけられる以上に、劣等感を受けるのかもしれません。「暗記物は好きになれない、ググればいいんだ。」なんてほざいていた過去の自分には、将来こんなんになっちゃうぞ、と忠告してやりたいですね。ただし、私自身に歴史的な出来事に対する知識がないため、あるいはそのおかげで中立的な位置からこの本が読めたのは唯一のメリットだったのかもしれません。歴史を知っていればば別の見方もできたのかもしれませんが。。
読んでいて感じたこと
著者はとても日本人に誇りを持っているということは言うまでもないように思います。例えば戦争に関する記述もあるわけですが、当時の当たり前の範疇であったというような論旨です。そのうえで、現在の価値観に照らし合わせてその行為が野蛮であったかどうかというように書かれていたと思います。とても読みやすい。そして、事実であるかは私にはわかりませんが、日本という国が戦争というか、帝国主義の世界にたたき出されたという書かれ方をされていました。それが本当であるのならとても怖いことですし、人を喧嘩に巻き込むのは野蛮と言わざるを得ないですね。そもそも、豊かさとは何かを考えていかないといけなかったのだと思います。物質的な成長というのか、例えば鉄道を作り、これまでとても時間のかかっていた輸送を、短時間にできるようになった。だから栄えているのかということですが、あくまでも「大量のものを短時間に運べるようになった」のであって、そして、その事実に対して価値を感じる人が多いから、お金になるのであって、それが豊かかどうかは別の話であると思わざる負えません。親戚のおばさんが、新幹線は嫌いだと言っていました。あっという間に着いてしまうからと。趣きと言いますか、ある種の余裕が今の世の中にないと思うのは私だけではないと思いますが、あっちに行って何をする、こっちに来て何をする。もちろん私も平成生まれ、現代っ子ですから、各種のソーシャルメディアのアカウントは持っています。おいしいものの写真や、美しいと感じた景色の写真などをあげることもありますが、ここぞとばかりに写真を撮り、あげていく行為に何の意味があるのでしょうか。
意味を調べた言葉
読みやすい文章なのに読了までに時間がかかってしまった一因は、漢字を含め意味を知らない単語が多かったからですね。こちらも勉強不足、調べていたら時間がないので、やはり覚えていることに越したことはないですね。反省orz。
- さもしい
- 教育勅語(きょういくちょくご)
- 媒酌(ばいしゃく)
- 錯綜(さくそう)
- 一気呵成(いっきかせい)
- 翻字垂迹説(ほんじすいじゃくせつ)
- 惻隠(そくいん)
- 換骨堕胎(かんこつだたい)
- 質樸(しつぼく)
- 習俗(しゅうぞく)
- 慨嘆(がいたん)
- 詠嘆(えいたん)
- 和魂漢才(わこんかんさい)
- 和魂洋才(わこんようさい)
- 瞠目(どうもく)
- 苛斂誅求(かれんちゅうきゅう)
- 無辜(むこ)
- はしっこい
- 難詰(なんきつ)
- 傲岸不遜(ごうがんぶそん)
- 比肩(ひけん)
- 披瀝(ひれき)
- マッカーシズム(赤狩り)
- 掠奪(りゃくだつ)
- 歩哨(ほしょう)
- 誰何(すいか)
- 無辜(むこ)
- 小癪(こしゃく)
- 共同謀議(きょうどうぼうぎ)
- 欺瞞(ぎまん)
- 悄然(しょうぜん)
- 酷薄(こくはく)
- 東トルキスタン
- 版図(はんと)
- 東夷(とうい)
- 群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)
- 跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)
- 排外(はいがい)
- 斟酌(しんしゃく)
- 蚕食(さんしょく)
- 無知蒙昧(むちもうまい)
- 傀儡政権(かいらいー)
- 岳父(がくふ)
- 拙劣(せつれつ)
- 嘆息(たんそく)
- 恐懼(きょうく)
- バーター
- 糊塗(こと)
- うっちゃり
- 媚態(びたい)
- 最後通牒(さいごつうちょう)
- 気息奄々(きそくえんえん)
- 惻隠(そくいん)
- 軍閥割拠(ぐんばつかっきょ)
- 燎原の火(りょうげんのひ)
- 紫禁城(しきんじょう)
- 宿痾(しゅくあ)
- 面目躍如(めんもくやくじょ)
- ドグマ
- 頽廃(たいはい)
次に読み広げたい本
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とても読みやすい本ですので、歴史への興味=意欲を心に植え付けるためにまず読んでみるのも一案化と思います。トッピングをしたラーメンを買う値段で、人生観の厚みが得られると思えば安いものです。